レビュー
Schindler's Memo

Schindler's Memo

5 years ago

2.5


content

トラフィッカー 運び屋の女

映画 ・ 2018

平均 2.7

邦題を付ける方の苦労は大変だと思うが、この邦題も悩んだのではないだろうか? イーストウッドの「運び屋」を思い起こさせ映画ファンの興味を引き、「女」と来て、「トラフィッカー」、すなわち「密売人」となれば、「お~」と俄然プロフェッショナルで犯罪請負的なキレのある女を想像する。 ところが蓋を開ければ、この女性、まずは主人公ではなく、どちらかといえば薄幸な女性で、映画の中では「常に具合悪い」状態。特に空港のシーンを抜けてからは、主にベッド上で青い顔をして冷や汗状態の、ちょっと見ていられないほど気の毒である。 では主人公は誰かというと、恐らく密輸の実行者である兄弟ということになるのだろうが、これまた何をやっているのか、ヘマのし通しで、警察にバレバレの状態である。 さらに、敏腕の女性刑事にも事情があるのだが、それはサラっとしか触れられず、結局単独行動でドジるのもいただけない。 終わってみれば、重要な要素である「密売組織」が全く描かれていなかったことに気付き、いったい何だったのか?と思う。 それでもこの映画、ラストまで「観させる」力というか、緊張感がある。北欧独特の寒々としたロケーションや、「兄」の悪辣なのに冷たい表情のクローズアップ、敏腕女性刑事のハゲタカのような目力などは、クライムムービーとして一級の映像だと思った。 コロンビア映画で「そして、ひと粒のひかり」という似たようなシチュエーションの映画があったが、リアルさは「そして・・」の方が上、エンタメ的には本作の方が上だと思った。