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レビュー
外は雨
7 years ago
沈黙 -サイレンス-
映画 · 2016
4.0
まずこの映画を観るとき、当時の布教は植民地化への足掛かりという側面がある事を忘れてはならないと思う。そうでなければ、ただただ弾圧の悲惨な面しか見えないだろう。 日本に小舟で渡る場面、これは明らかな「雨月物語」の船のシーンだ。それが何を意味するのか考えていた。日本とは、キリスト教という一神教の信仰の彼岸の地なのかもしれない。 弾圧を命じるイッセー尾形演じる井上筑後守は元キリスト教徒っていうね。だから彼はパーデレたちの言葉もキリスト教の教えも理解出来る。なぜ彼は「転んだ」のか。それを幕府の政策のせいだと言ってしまうのは簡単だ。キリスト教圏による周辺諸国の植民地化と大衆の精神的支配への畏れ、一神教宗教への疑念、それも根底にあったのでは。 彼は言うのだ「あの者(宣教師)は「ありがたや」しか話せなかった」と。宣教師達は布教という理想の元にあったことは理解に難くない。だが、日本を理解せずただ教えを説く。結局、群衆は貧しく苦しい生の先のパライソだけをを見ていたに過ぎない。 この映画をキリスト教圏の人たちはどう見るのか興味がある。キリスト教の神父を志したこともあったスコセッシ自身の葛藤はなかったか。
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