
cocoa
Saltburn
平均 3.6
原題の「Saltburn」はある土地の名前。 「プロミシング・ヤング・ウーマン」のエメラルド・フェネル監督の長編2作目です。 2006年、オクスフォード大学に入ったオリヴァー・クイック(バリー・コーガン …またはキオガン)。 周りは裕福な同級生ばかりでオリヴァーは貧しく、奨学生の身なので仲間に入れない。 ある日、上流階級の男子フィリックス・コックス(ジェイコブ・エロルディ)を助けたことから親しくなる。 夏休みをフィリックスの屋敷のあるソルトバーンで過ごすことになる。 フィリックスに惹かれていたオリヴァー、彼の狙いは何だったのか…そんなストーリー。 またまたバリー・コーガンがやってくれました。 ちょっと前に観た『イニシェリン島の精霊』のドミニク役も印象深かったけど、今回の役はもう彼にしかできない! アイルランド出身の彼は気味の悪い個性的な役はお手のもの。 オクスフォード大学に入学した初日、荷物を引きずる彼がキャンパスを進んでいく様子から始まります。 周りは華やかな様子でそれぞれが交流しているけど、オリヴァーは誰も知らない。 彼に話しかけたのは数学オタクのマイケルだったが、彼はさらに孤立していたよう。 オリヴァーがフィリックスを助けたのは偶然だと最初は思った。 何も苦労知らずの富裕層のフィリックスは自転車を貸してくれたオリヴァーに感謝して、キスをして去っていく。 そのオリヴァーの何とも言えない表情。 何かと声をかけてくれるフィリックス。 それを妬むマイケルやフィリックスの従兄弟ファーリー。 夏休みをフィリックスの屋敷で過ごすことになり、彼の家族とも親交を深めるのですが…。 その屋敷が何とお城のようで圧倒されるオリヴァー。 (この時に初めてフィリックスの屋敷を見たはず) 迷子になりそうな屋敷内、オリヴァーの客室はフィリックスの部屋とバスルームを挟んで隣。 (あの『君の名前で僕を呼んで』を思い出しちゃう) そこからはバリー・コーガンの真骨頂のシーンが続きます。 フィリックスの使ったバスタブの排水を飲むシーン。 埋葬地の上を全裸で横たわるシーン。 その他でも何だか目を背けたくなるシーンがいっぱい。 オリヴァーの事をフィリックスの家族は表面的には歓待している。 でもそこには貧困層の(…と思われる)オリヴァーを見下す本音もある。 何だか一癖も二癖もある母(ロザムンド・パイク)や父親、姉のヴェリシアもいた。 オリヴァーの誕生日を祝う仮装パーティーなんて、本当に祝ってあげたいと言うよりも、ただ饗宴を持ちたいだけに思えた。 疑問だったのはなぜオリヴァーが実家の事で嘘を言ったのだろうか。 貴族階級のフィリックスに惹かれたとは言え、同時に憎んだと話すオリヴァー。 オクスフォードの構内でフィリックスを見つめる目が何とも言えない「じとっとした眼差し」だった。 さすがバリー・コーガン。 馴染めない役とか嫉妬する役がうますぎる。 フィリックスの屋敷に行ったことから、コットン家は不幸の連続となっていく。 一度は追い出されたソルトバーンの屋敷を全裸のオリヴァーが踊るように闊歩する姿には唖然とした。 とにかくバリー・コーガンがはまり役過ぎて強烈だった。 この女性監督もオクスフォード出身だと言う。 なかなか一癖ある作風で脚本もうまかった。 それにはいかにもモテそうなフィリックス役のジェイコブ・エロルディとバリー・コーガンのキャスティングも成功していたと思う。