レビュー
shimabukurock

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7 years ago

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旅のおわり世界のはじまり

映画 ・ 2019

平均 3.1

前田敦子をはじめ、加瀬亮、染谷将太、柄本時生の主要キャストが、とても魅力的。 というのも、ドラマ的キャラクター配置ではなく、また立ち位置を自ら説明するようなセリフはほぼない。 俳優としての主張する過剰や存在感を抑制しているがこそ、の卓越した演技的度量が豊か。 冒頭のシニカルな展開は「前田敦子のドキュメント」としてカメラの前では笑顔、に対して笑顔のない日常と、現場。 「瞬発力がありさえすればできる」という示唆的なセリフ。 交わらない会話。SF設定のように広がるウズベキスタンの町々と、対話の不安感。 出来事が起こるようで、起きそうになると、起こらない。 非日常も延々と続けば日常になる。 日常は、繰り返せばそれに埋没する。 好きな人と繋がってさえいれば、そうじゃない人はいなくても良い、と、つい思う。 だけど腐らずに一個だけ、いつもと違うことをやってみよう、というそれだけにも、ドラマが生きている、というようなこと。 小さな物語だからこそ、これら俳優陣と黒沢清監督の演出のアンサンブルによって機能していて、心地よい作品。