レビュー
これは拾いものの映画。「私の男」にひっかけたような邦題であるが、映画の内容をズバリ言い当てており、久しぶりのヒット邦題であると思う。 ストーリーは、「ある問題」を抱えて左遷赴任したキャリア警察官(女性であるところがミソ)が、虐待されている「少女」を「保護」するというものなのだが、映画の背景や事情が観客に全く知らされておらず、それらが氷解してゆく過程を示し、階乗的にラストへ向かって行くのは見事。 ペ・ドゥナと、天才子役キム・セロンの演技合戦が非常に見応えがある。ダブル・ヒロインの映画だが、それぞれの事情が解ってゆくうちに、目が離せない状態に追い込まれる。 途中、「少女」に対して、ソウルの女性取調官が「人形」を使って、「説明」させるシーンがあるが、これが非常に「怖い」。カットバックで同時進行する男性取調官による「監察尋問」が紋切り型だけに、相乗効果があってサスペンス感を高めている。 そして、「少女」が重大決心をして、ラストへと一気に走るのだが、これがまた緊張感増大で、まさに映画的な盛り上げ方だ。 韓国のキャリア警察官の描き方や、留置場の描き方などに、マンガ的な安直感はあるが、細かい傷など気にならなくなるのは素晴らしいと思った。
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