レビュー
くらっしゃあ

くらっしゃあ

3 years ago

3.0


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ダゲレオタイプの女

映画 ・ 2016

平均 3.0

2022年07月26日に見ました。

【古今東西ホラー・オカルト映画鑑賞録】 ◇行間が広すぎる映画◇ 黒沢清がロケ地、俳優オールフランスで撮った風変わりな(幽霊が出てくるという意味で)ホラー映画。 【ダゲレオタイプ】とは、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールにより発明され、1839年8月19日にフランス学士院で発表された世界初の実用的写真撮影法で、日本では銀板写真と呼ばれるそうだ。 思うに、黒沢清はこのダゲレオタイプを自作に取り入れるにあたり、舞台が日本ではそぐわないと考え、本場といえるフランスでの撮影を選択したのだろう。 それはいいのだが・・・いや、そのわりに彼は【ダゲレオタイプ】にそれほど執着しているようには見えない。 確かに、映画はダゲレオタイプでの撮影に拘る老写真家、新しく写真家の助手となった青年、そしてダゲレオタイプの被写体となる写真家の娘によるダゲレオタイプな話として幕を開けるが、途中、ある人物が唐突な死を迎えてから、妙な方向に話がズレていく。 普段から黒沢清映画に慣れ親しんでいる者ならば、この展開も「ああ、なんか黒沢清らしいなあ」と思えるだろうが、そうではない場合は、そのあまりにも広すぎる行間に頭の中が?マークで充満してしまうのではないだろうか。 それはおそらく、フランス人俳優たちも同様で、特に写真家の助手(主人公)を演じた俳優なんて、ラストのセリフ「いい旅だった」を言いながら、絶対「何が?」と思っていたに違いない。 私自身は、黒沢清の映画に対して一定以上の満足感を得られる体質なので、興味深く愉しめたが、それはけっしてこの映画を理解したことと同義ではないのであった。 【U-NEXT】