ふたりの死刑囚
ふたりの死刑囚
2015 · ドキュメンタリー · 日本
85分
1966年、静岡県清水市(当時)の味噌会社専務宅から出火。焼け跡からは専務ら4人の他殺体が発見された。この事件で当時会社に勤めていた袴田巌が逮捕され、無実を訴えながらも確定死刑囚となった。弁護団のDNA鑑定により、有罪の決め手になった衣服から検出された血液が袴田のものではないことが判明し、静岡地裁で再審が認められたのは2014年のことだった。袴田は48年ぶりに釈放されたものの、検察は即時抗告し再審が始まらず、袴田は死刑囚のままである。袴田は長年の拘置所生活により拘禁反応を見せ、精神に障害を負っている。年金も選挙権もない。1961年に三重県名張市で毒入りぶどう酒を飲んだ女性5人が亡くなった『名張毒ぶどう酒事件』で逮捕、死刑が確定した奥西勝もまた、獄中から無実を訴え続けた。彼の妹も奥西の無実を信じ、奈良県の山村から片道5時間かけて兄のもとに通い続けた。しかし再審が開かれることなく、2015年10月4日、奥西は獄死。本作は袴田・奥西とその家族の人生を追う。