はちどり
벌새
2018 · ドラマ · 韓国
139分
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1994年、空前の経済成長を遂げる韓国のソウル。両親、姉、兄と共に集合団地に暮らす14歳のウニは、学校に馴染めず、違う学校に通う親友と遊んだり、男子学生や後輩の女子とデートをしたりして過ごしていた。小さな餅屋を切り盛りする両親には子供たちと向き合う余裕はなく、父は長男である兄に期待。しかしその兄は親の目を盗みウニに暴力を振るっていた。そんな中、ウニが通っている漢文塾に、どこか不思議な雰囲気を漂わせる女性教師ヨンジがやってくる。ウニは自分の話に耳を傾けてくれるヨンジに心を開いくように。入院したウニの見舞いに訪れたヨンジは、誰かに殴られたら黙っていてはいけないと静かに励ました。ある朝、ソンス大橋が崩落。いつも姉が乗るバスが橋を通過する時間帯での出来事だった。まもなく、ヨンジから一通の手紙と小包がウニの元に届き……。
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ジュネ
4.5
2020年92本目は、デビュー作ながら各国映画祭で絶賛の嵐、50以上もの賞を獲得した恐るべき1作『はちどり』。 ----------------------------------------------------------- 見たあとに思ったのは「この監督一体何者?」の一言でした。ちょっとこれがデビュー作というのは本気で信じられないです。あまりの風格やクオリティに唖然とするばかりで、もし私がキム・ボラ監督だったら、本作を映画史に残すことができただけで満足してしまいそうですね。一見すると、少女ウニの毎日が淡々と綴られていくだけで大きな起伏もないため、見どころがないと思ってしまうかもしれません。 ------------------------------------------------------------ しかし、横暴な父親が一家を抑圧する「家父長性」、いい大学に入ることが全ての「学歴社会」、しつけを暴力とはき違えていることに気づかない「悪質な体罰」、女性は見た目の良し悪しで判断されがちな「整形大国」…と、劇中で描かれていく出来事全てが韓国社会を形作る要因そのもので、常にヒリついた感情に襲われます。そんな毎日を、ウニはちょっとしたことに一喜一憂しながら、もがくように暮らしています。 ------------------------------------------------------------ ウニを演じるパク・ジフの唯一無二の存在感、些細な目線や仕草に注目させる繊細な演出もあいまって、彼女のことをいつまでも見ていたくなります。それはウニの家族や友人にも共通で、時に憎しみあい傷つけあったはずの二人が、時に激しく求めあう…そんな人間の複雑な心理があらゆる場面で見事に表現されています。全ての人が、登場人物の誰かに自分を重ねて見ることができるんじゃないでしょうか。 ------------------------------------------------------------ 老境の果てに達観した人物が得たかのような視点ですが、キム・ボラ監督はなんとまだ40代。いやはや、ホントにとんでもない逸材が出てきたものです。
wishgiver
4.5
これはもうため息が出るほど素晴らしい作品でした。 14歳の少女ウニの瑞々しい感性を強烈に体感させられる。 自分にもあった、かくも純粋で繊細な思春期をウニの主観で客観視させてくれる大傑作。 どうしようもなく傷ついたり、自分の居場所が無かったり、そんな14歳の少女の揺れる心を好演するウニ役のパク・ジフが神ってます。 共感性の強いキャスティングが素晴らしいし、漢文塾の先生ヨンジも最高です。 まだ40歳の女性監 督キム・ボラの長編デビュー作だそうですが、公式HPによると『はちどり』は『リコーダーのテスト』で9歳だった主人公のウニのその後の物語である。とのことなので早速観てみたい。 (2020.10.2@伊勢進富座)
caoru
3.5
やわらかい美しい映像のなかに、 世の中の理不尽さや、悲しみなどか散りばめられている。 でも主人公の少女ウニには、未来が待っているとラストで伝えているような気がした。
なでかた
5.0
「はちどり」 まさに本作の主人公であるウニを現すタイトルに相応しいと思う。女子中学二年生は絶妙な時期である。思春期を示すのは中学二年生であり、純心でなにもを知らない、男性が抱く性的ファンタジーの対象とも思える。しかし、実際は違う。女子中学二年生における生きにくさの環境をその時代、その国で示した映画が本作の「はちどり」だ。 比較対象になる「パラサイト半地下の家族」とは、視線や心情は多いに異なる作品だ。ウニを応援したくなり、一喜一憂してしまうシーンや胸を締め付けられるシーンや感情が破裂したシーンには思わず抱き締めて支えたくなる気持ちにすらなる。 「オールドボーイ」や「お嬢さん」の映画監督パク・チャヌクは本作品を以下のように述べている。 この小さいながらも、ひときわ力強く羽ばたく鳥、蜂なのか鳥なのか分からない存在"はちどり"は、子どもでもなく、大人でもない中学生にぴったりの愛称である。 私も"はちどり"について調べると、【希望・愛・生命力】を象徴している。女子中二年生を象徴しているとも思える。 韓国の背景や抱える悩みについては、日本におけて知りえないことが多いシーンもあったが、日本に置き換えると、阪神淡路大震災やオウムのサリン事件に該当する事柄が当てはまると思う。 当時の事件の衝撃が、中学二年生のときに起こる。つまりは、国への焦点に見据えた生命力の物語かもしれない。そう思える作品だった。 私は、ウニを応援したい! 私は、ウニの高校生も大学生もお母さんの姿も見たい! 私は、監督を応援したい! 私は、監督がパルム・ドールとアカデミー賞を手にする姿を見たい!
Taul
5.0
『はちどり』鑑賞。いくら自身の体験を元にしたといってもこれが初長編とは信じられない。何という繊細さ、何という痛さ、何という風格だろう。少女の小さなエピソードを丹念に描きながら家族、社会の問題の縮図として堂々の作劇で長編を語りきる。見せ過ぎない抑制と印象的な演出の賜。彼女の傷が癒え自由に飛び立つ事を祈る
ツァラトゥストラハカク語リキ
4.0
「殴られたら立ち向かいなさい」 * * 金日成が亡くなった1994年、韓国ではソンス大橋崩落という事故が起き、32人が亡くなっている。 * * 一人の女子中学生にスポットを当て、彼女の感情の動きを、ソンス大橋崩落事故と絡めて描いた韓国映画。 * * 殆どのシーンは主人公の心の動きを描写していて、家族、恋愛、友情、勉強、遊び、出会いといったさまざまな出来事のたびに一喜 一憂する感情が静寂とともにとても上手く描かれている。 * * 漢文塾の先生がとても素敵で、彼女との出会いが主人公に与えた影響は大きいだろう。
あっちゃん
2.5
1994年のソウル、家族と団地で暮らしている中学2年の少女が、塾の女性講師と出会って成長していく姿を描くヒューマンドラマ。 主人公が平凡な中流家庭で育ったごく普通の少女としか思えず、他者との関係性の中で希望を見いだしていく力強さがない。 期待感が強すぎたためか、それほど胸を打つものが感じられなかった作品。
Schindler's Memo
2.5
韓国では、あの「パラサイト・・」を凌ぐ評価であり、国際的にも評価の高い作品であるとのこと。 観終わって感じるところを素直に言わせてもらえれば、いくら何でも「パラサイト・・」と並び称される作品だとは思わなかった。確かに主役の少女の瑞々しい演技には圧倒される処然りだが、映画の本質的なところは主人公を取り巻く群像との関係にあるわけで、ドラマが分散しているのは確かであり、その点で凄い映画を観たという感じでは無い。 むしろ、1994年近辺の韓国事情を抜きにしては本質を掴めないことも確かであり、 その点では勉強になった映画であった。 逆に言えば、例えばこの脚本を1994年の日本に置き換えてしまうと、何とも温い少女像になってしまうのではないかと思う。というのは、特段に生活困窮しているわけでも無い中学生、教育熱心な父、長兄との確執、塾の女性教師へのあこがれ、彼氏、親友との関係、後輩とのカラオケ、大事な人を巻き込んだ事故等々は、ノスタルジックに描かれるほど当時のバブリーな日本世相背景では温くなってしまうのではないか。 本作においては、当時の韓国、すなわち本質的には儒教的な家長制度、長男主義が根強くあり、軍事政権から脱して10年ほどたった学歴社会、公共工 事の考えられない手抜き工事など、当時の韓国世相が背景にあるからこその、少女の瑞々しさが際だったのだと思う。
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