国境は燃えている

Le soldatesse
1965 · ドラマ/戦争 · イタリア, フランス, 西ドイツ, ユーゴスラビア
120分
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第二次大戦下の一九四〇年、ギリシャ全土は山岳地帯にたてこもった一部のゲリラを除いて独伊両軍の占領下におかれた。休暇でアテネにいた歩兵中尉マルチーノ(T・ミリアン)は十二名の慰安婦をいくつかの部隊に運ぶという任務をうけた。アテネを発とうとするトラックに向って、慰安婦の一人トウーラ(L・マッサリ)の妹が、一人置き去りにされるのが不安だといって駆けよった。女達のこん願に負け、マルチーノは同行を黙認した。さらに途中で奥地に行くという黒シャツ隊の少佐を同乗させた。マルチーノはエフティキア(M・ラフォレ)という、無口な女に心を惹かれはじめていた。駐在所につくたびに、獣じみた夜を見なければならない。奥地に入るにしたがって、ギリシャ人のパルチザンが出現する危険な道を通らなければならなかった。そしてある日、いきなりパルチザンの銃撃にあった。女の一人エレニツァが胸に銃弾をうけ、一行はやっとの思いでレンガ造りの荒屋に逃げこんだ。もう一度襲われたら皆殺しだ。逃げなければならない。が、エレニツァは重態。不安な時間に極度に興奮した少佐はエレニツァを射殺した。エフティキアが怒って彼に銃を向けたが、マルチーノがとめた。少佐は「皆のためにやったんだ」と弱々しく弁解した。一行は徒歩で目的地オクリダに着いた。そこでは黒シャツ隊がゲリラ追放のために町に火を放ち少年までをも無造作に銃殺していた。少年の同胞エフティキアはその光景を見て初めて涙を流した。マルチーノは狂おしいほど彼女を愛していたが、両国の溝の中でどうすることも出来なかった。その日、二人は最後の夜を送った。彼女は翌日パルチザンの仲間に加わるために山に登り、マルチーノはそれ以後、二度と彼女に会うことはなかった。

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