歌手のバックダンサーをしている女(オーロラ・マリオン)。突如として歌手が何者かによって殺害され、周りのバックダンサーが彼に駆け寄るも、彼女だけはそのまま踊り続ける。そして、とある男が彼女に声をかける。「ニナ、デインは死んだ」と。彼女はそれを聞き、歌い出す。そして、彼女の幼少期からの過去へと逆行する。それはニナとニナの母、ザヒラ(サクナ・オウム)、父のオルメイヤー(スタニスラス・メラール)の歪な家族を描いていた。 娘がいないと関係がなくなる夫婦(互いに互いを愛していない)、娘を愛し、白人教育を受けさせようとする父、娘を愛する母。それぞれに愛はあるけれど、ニナが誰かしらに愛を抱くことはない(父オルメイヤーもそれはしてたけど) デインはニナを愛したけれど、ニナは彼を愛していない。だけれど何か変わると思い、彼を愛せる日が来るかもしれないと思い旅立つ。…愛してくれる人は消えてしまったのだけど(自分は愛してないのにいつまでもいると思うなと言ってるよう) 「娘などいなかったことにする…だけれど、今日一日は」という哀愁。言葉だけと称されたけれど、想っていたのは事実だろうからね。