コンクリート・ユートピア

世界各地を襲った地盤隆起による大災害で、一瞬にして壊滅したソウル。唯一崩落を逃れたファングンアパートには、居住者以外の生存者たちが押し寄せていた。救助隊が現れる気配は一向になく、街中ではあらゆる犯罪が横行。マンション内でも不法侵入や殺傷、放火が起こり始める。危機感を抱いた住人たちは主導者を決め、住人以外を遮断、住民のためのルールを作ってマンション内を統制することに。臨時代表となったのは、902号室のヨンタク（イ・ビョンホン）。職業不明で頼りなかったその男は、危険を顧みずに放火された一室の消火にあたった姿勢を買われたのだった。ところが、マンションが安全で平和な“ユートピア”と化していくにつれ、権勢を振るうヨンタクの狂気が浮かび上がってくる。そんなヨンタクから防衛隊長に指名されたのは、602号室のミンソン（パク・ソジュン）。妻のミョンファ（パク・ボヨン）は、ヨンタクに心酔するミンソンに不安を覚え、閉鎖的で異様な環境に安堵しながら暮らす住民たちを傍目で見ながら生活していた。生存の危機が続く中、ヨンタクの支配力が強まったとき、予期せぬ争いが生じる。そこで明らかになったのは、その男の本当の姿だった………。