愛こんにちは

愛こんにちは
1974
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南の小さな島から黄春花は、まだ見た事のない日本人の父に会うために東京に向かった。途中、春花は飛行機の中で設計技師の山口一郎と知り合った。羽田に到着すると、陳と名乗る男が、一郎を呼びとめ、“大富豪の令嬢・章玲紅が結婚式場より脱走、捜索に十万ドル進呈”の見出しで、春花とそっくりな玲紅の写真入りの新聞を見せるのだった。大同不動産の社長である春花の父は、彼女に自社の株三百万を残して死んでしまった。会社の田中専務と福田常務の間で、社長の椅子と春花の株券をめぐって内紛が持ち上がり、そればかりか、玲紅と間違えられた春花は、陳からも狙われてしまい、一郎に助けを求めた。10万ドルの美人が転がり込んで来たと喜ぶ一郎だが、春花の出現で面白くないのは恋人の北原美保。案の定、一郎は株券とともにどんどん春花に魅かれていき、やがて美保の存在を忘れていった。しかし、春花は一郎の気持とは反対に、彼の友人の信夫に惹かれていった。だが、一郎が好きなのは美保の姉・邦子であると知った春花は、一郎と美保の仲も裂いてしまった事も後悔して、一人淋しく彼らから離れて行った。その春花を田中専務が雇った探偵や陳が追った。春花はあるホテルに逃げ込んだところ、偶然にも玲紅とその恋人、ロバートに会った。双児のような二人は、お互いの衣裳や持ち物を交換して、探偵たちを煙にまいてしまった。冷戦状態を続けていた一郎と美保は和解し、玲紅も香港の両親から結婚を許されて帰国することになった。春花も目まぐるしく過ぎた東京の思い出を抱きしめて、南の島に帰っていった。

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