満願旅行

満願旅行
1970
93分
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村上洋介は、寝台特急「はやぶさ号」の専務車掌。母お政と鹿児島市に住んでいるが女性には理想高く、三十才を過ぎてなお独身を誇っている。同じ列車の食堂ガールの庄司八重子は洋介にぞっこんで、その情熱たるや、まさに南国的だが、洋介の反応はゼロである。春の佳き日、洋介は同郷の秋山すみ江と見合いをした。会った瞬間洋介はすみ江に一目惚れ、一方すみ江もまんざらでもなさそうだ。万事うまく運びそうだったが、そこに現われたのが八重子。さらに、旦那に捨てられて「はやぶさ号」車中でハイミナールを飲んで、あばれたユカまでからんで騒然となり、すみ江は怒って、帰ってしまった。だが、洋介のすみ江への想いは日毎につのるばかりだった。一方八重子の洋介への想いもエスカレート、図々しくも弟隆一と一緒に洋介の家の離れに引越してきて、まるで女房きどりのふるまい。数日後、すみ江が別の見合いのため、鹿児島にやってきた。落胆した洋介は懸命にすみ江を説得。霧島温泉での再会を約束した。洋介は爽快な気分で夜の「はやぶさ号」に乗り込んだ。しかし、同行していた八重子が急性盲腸炎で倒れ、豊橋で臨時停車して、急拠入院。翌朝、鹿児島の洋介のもとに八重子危篤の報。霧島温泉か豊橋か、迷ったあげく洋介は八重子の病床へかけつけた。その上、洋介は八重子を励ますつもりで、結婚の約束を口ばしってしまうが、医者がいうには、まもなく退院できるとのこと、洋介は慌てふためくがすでにあとの祭りだった。これはすべて隆一の策略だったが、やがて八重子と結婚した洋介もまんざらではなさそうだった。

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