祇園では名の売れた芸妓美代春は、彼女に入れ上げて勘当になった若旦那の小川を、強い言葉で追い返した。丁度その時舞妓志願に来たみすぼらしい少女栄子は、美代春も旧知のメリヤス問屋沢本の二号の娘で、零落した沢本の栄子の面倒は一切見ないという言葉にも拘わらず、栄子の健気な言葉に舞妓に仕込む決心をした。そして一年。栄子は愈々舞妓として店出しする事となったが、美代春はその費用三十万円を、祇園一流のお茶屋「よし君」の女将から借りた。
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