アンチグラビティ

事故に遭った男が目を覚ますと、そこには異様な世界が広がっていた。あらゆるものが、重力を無視して浮遊しているのだ。男の記憶はなく、呆然としていると、突然黒い怪物が襲い掛かって来る。間一髪で何者かに助けられた男は、ヤンという男が率いる彼らの住処に案内され、ここは昏睡状態の人間たちが暮らす脳内世界だと知らされる。男と同じく、彼らもまた現実世界では昏睡状態だという。この世界の時間の流れは現実世界の100倍遅く、昏睡状態から目覚めるまで抜け出せない。さらに、“死に神（リーパー）”と呼ばれる怪物が彼らを襲う。この世界にいる者はいつか目覚める事を信じて、永遠に近い時間をリーパーと戦い続けなければならなかった。そんななか、ヤンは、どこかにリーパーのいない島があると信じていた。ヤンは、男がその場所を知っているというが……。