大飛行艦隊

The Flying Fleet
1929
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アンアポリスの海軍大学に学んで親友の間柄である、トミー、スティーヴ、スペックス、テキス、デジー、キウピーの6人は卒業を真近に控えて希望に満つる将来を語り、互いに友情を誓い、卒業の後は共に海軍飛行隊に入ることを約した。 彼らの堅い誓いも悲しい破錠の日が来た。卒業の前夜デジーとステーブはあるパーティーに出かけたが、泥酔して帰ったところを勤務中のトミーが発見してステーブを隠したが、勤番士官は早くもデジーの姿を見付けた、厳しい校則に依り彼は放校処分に処せられた。残る5人は皆飛行家を志したがスペックは視力不充分で操縦手になる機会を失った、デキスは常に失敗を繰り返して練習船に乗って冒険を演じて僅かに燃ゆる鬱憤を晴らしていたが、ある日不慮の過失に惨死を遂げた。トミー、ステーブ、キウピーの3人は首尾よく合格して飛行家になり、サンチャゴの海軍航空隊に入った。スペックは操縦手になれぬが機関士になる資格が興へられた。サンチャゴに近いコロナドで彼らは社交界の婦人で、美しいアニタに合った。トミーとステーブはこの1人に女性を中心に激しい恋の競争を始めた、堅い友情の誓いも恋のために盲目であった。2人の間には深い溝が出来、しばしば暗闘が演じられた。歴史的なハワイ横断飛行の壮撃が計画されて、トミーは大型飛行機に搭乗し、スペックを助手に晴の飛行を決行することになったが、出発に先立ちステーブとトミーの間にただならぬ不穏の空気を看破した長官アレンはトミーに代わってステーブにハワイ横断飛行の1番乗りを命じた。ステーブは出発したが悲惨な結果に終わった。太平洋上に墜落したのである。スペックはこの惨事に重傷を負った。頼みとする水は1本の瓶である。ステーブと無電技手は友のためにその水を貯えんとしたが、重傷の身乍らスペックは自分のために2人に危機迫ることを知って自ら海中に身を投じて犠牲となった。ステーブの危急を聞いてトミーは、今までの経緯も忘れその夜飛行機を飛ばして彼の行衛を捜索し、しばらく彼の機骸を発見して救助する、間もなく海軍航空隊の空中大分列式が挙行され数百の機は壮快なる空の乱舞を演じ、海を遮る偉観であった。サン・ビードロに上陸する航空隊の勇士を迎えて、アニタはトミーの姿を認め、相抱いて無事を喜んだ。ステーブは静かにキウピーと背を向けて涙をのんだ。

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