霧にむせぶ夜

霧にむせぶ夜
1968
91分
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“マレーの竜”と呼ばれる滝口が、霧の横浜港に帰って来た。彼は、五年前恋人礼子のために、その弟譲治が起したヤクザ同士の殺人事件で、自ら犯人としての汚名を負って、国外に逃亡していたのだった。そして帰国早々、昔馴染のレストラン経営者一色修平や旧知の歌手黒木、それに譲治などを訪れた。ところが、再会した礼子は、すでに富豪の太田黒と結婚していた。さて、滝口はR国の要人汪を日本訪問途上に消せ、という密令をもっていた。そして指令電話で着々準備を進めるうちに、射撃場で六人の男たちに襲撃された。滝口は一瞬のうちに全員を射殺。自分の行動を知っている譲治をしめあげ、自分を狙ったのが、内山であることを知った。この内山こそ、滝口に殺人犯の汚名を着せ、S組の組長の座をしとめた男だった。さらに内山は、汪の手下崔から汪暗殺阻止のために雇われ、滝口を狙っていたのだ。その頃、内山は用心棒を集め、礼子を人質にし、譲治を使って午後三時までと、時間を切り、滝口をアジトに呼出した。その時間は、滝口が汪を狙撃する時間だった。それを滝口が知らされたのは午後二時。礼子を救うべきか、指令をまっとうすべきか迷う時間すらなかった。内山のアジトで滝口のマシンガンが火をふき、礼子が救出されたのは、その直後だった。滝口が汪暗殺現場に着いたのは二十分前。だが、そこでも内山の配した殺し屋と死闘が展開された。激闘数分、死体の中から身体を起した滝口は、一発で汪をしとめた。夜が来て、修平の店へ現われた滝口は指令完遂を報告して息をひきとった。修平こそ暗殺指令の主だったのだった。

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