カティンの森
Katyn
2007 · ドラ マ/歴史/戦争 · ポーランド
121分



1939年9月、クラクフのアンナ(マヤ・オスタシェフスカ)は娘を連れ、夫のア ンジェイ大尉(アルトゥル・ジミイェフスキ)を探しに行く。一方、東から来た大将夫人(ダヌタ・ステンカ)はクラクフに向かう。アンジェイや仲間のイェジ(アンジェイ・ヒラ)たちは、ソ連軍の捕虜となっていた。アンジェイは、見たことすべてを手帳に書き留める決意をする。アンナはクラクフに戻ろうとするが、国境を越えられない。11月、アンジェイの父はドイツ軍の収容所に送られる。
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Schindler's Memo
5.0
凄い映画。ひたすら暗く、重たい。そして非常にリアルだ。久しぶりに凄い映画を観たという感じがする。 しかし、エンタメ度はゼロなので、面白い映画を観たい人は観ない方が良いと思う。 冒頭の橋のシーンが強烈だ。一方からナチス軍、相対する一方からはソ連の赤軍から侵攻を受けるという、ポーランドのとてつもない悲劇がまず提示される。 次に事件が起こる前までを、収容所とその家族の描写を交互に描く。そして事件が起こってからの家族の苦悩や悲しみが描かれ、ラスト20分の「事件」そのものの描写へ回想する。 役者は演じているのであるが、大袈裟な立ち振る舞いなど皆無で、ひたすらリアリズムで押し切られる。社会派の大巨匠であるワイダの真骨頂ともいえ、その意味では彼の集大成のような映画だとも思う。 それにしてもラスト20分が凄まじい。淡々としかも整然と行われる殺戮、押し寄せる土砂の映像が、とてつもなくリアルである。リアルであるがゆえに、恐怖とやるせなさ、絶望感に震えてしまう。 ポーランドの大作曲家ペンデレッキが付けた音楽は、どれもこれも素晴らしく、暗く、悲しいが、エンドロールで彼が選んだ音楽は、「無音」である。もはやそれしかないと思った。
ひろ
3.5
第二次世界大戦下に実際に起きた「カティンの森事件」を題材として、事件で父親を亡くしたアンジェイ・ワイダ監督によって映画化された2007年のポーランド映画 ・ 1939年9月、ポーランドは西からドイツ、東からソ連に侵攻され、両国によって分割されてしまう。ソ連によって占領された東部へ、夫のアンジェイ大尉を捜しに妻のアンナと娘がやって来た。アンナは捕虜になっていた夫に再会するも、目の前で収容所へと移送されていく。やがて独ソ戦が始まり、1943年、ドイツは占領したカティンの森で虐殺されたポーランド将校たちの遺体を発見する…。 ・ 事件で父親を殺された監督が、構想に50年、製作に17年もかけて完成させた作品だけに、並々ならぬ事件への思いを感じる。ここまでの大量虐殺が、世界的にあまり知られていないだけに、この作品が伝える真実を世界は受け止めなければいけない。 , 西からドイツ、東からソ連に侵攻された当時のポーランドのことを考えると恐ろしい。どっちに逃げても人権など尊重されないわけで、命の保証もない。この事件はプロパガンダに利用され、真実は闇に葬られてきた。 ・ ソ連が戦勝国になったことや、戦後のポーランドを統治したことから、この事件を語ることはタブーとされてきた。戦争の勝者が正義だなんてことはないのだ。ポーランドの監督がこの事件を映画化したことが事件だった。 ・ 2009年にロシアの首相が事件を犯罪として認めたが、謝罪はしなかった。2010年4月に追悼式典がポーランドで行われようとしたが、式典に向かう飛行機が墜落し、ポーランド大統領夫妻をはじめ、ポーランド政府高官が多数亡くなったため、式典は中止となった。 ・ 日本でもこういう事件を積極的に扱わないのは、似たような問題を抱えてる上に、どちらかというと加害者側だからだろう。こういう問題になると、原爆の話を持ち出すしかなくなる。 ・ この作品の生々しさは観た人にショックを与えるだろう。R指定されているのも仕方ないかもしれないが、こういう隠されてきた真実を子供たちに伝えることも大事だと思う。 ・ この事件を知らずに、ポーランド大統領が乗った飛行機が墜落したことも知らなかったことが恥ずかしい限りだ。第二次世界大戦の加害者であり、被害者である日本に住む人として、他人事ではないこの事件を知るためにも、この映画は観るべき作品だ。
3.2.1.0
2.5
浅学なものでカティンの森事件のことを知らなかった。また忘れてはいけない過去の出来事を知ることとなったな。 この時代における悪逆で最も有名なのはナチス・ドイツによるユダヤ人迫害であるけれど、今作で描かれるソ連によるポーランド将校虐殺も同様に悲惨なもの。それがあまり言われていないのはソ連が戦勝国側だからか。 今作は戦後から約60年後に製作された作品であるけれど、それだけ監督(父をこの事件で喪った)にとっては許し難い事件だったんでしょう。 正直娯楽性の欠けた退屈な映画ではあるけれど、観た方がいい映画だとは思った。
いやよセブン
3.5
ロマンの国、ポーランドの悲劇を描いており、大変重い作品だ。 ナチスドイツが侵攻すると同時に、ソ連赤軍も侵攻し、東も西も蹂躙される。 そしてソ連赤軍はポーランド軍の将校を1万数千人、カティンの森で虐殺する。 ナチスドイツが制圧したとき、この虐殺をソ連の仕業と発表するが、ソ連は否定。 しかし、ナチスドイツが敗れ、東側の一員となるとポーランドはソ連に気を使い、今度はナチスドイツの仕業と主張する。 引き裂かれた夫婦、夫の安否を気遣う妻、父が帰るのを待つ娘、殺された兄への復讐を誓う妹など、胸の痛くなるエピソードが連なる。 「人間は多数集まるほど、愚かになる」というのは正しい。
蟋蟀
5.0
何度も見たくなる。 事の悲惨さを明確に伝えつつ、ストーリー性も犠牲にしていない。
saya_rosa
4.0
カティンの森で奪われたのは命だけではなく、文化であり、若さであり、受け継がれるべきだった知識であり、それらは本当なら戦争で荒廃した国を立てなおし、ポーランドの未来を豊かにするために必要だったはずなのです。 私はこの映画を見てそんな風に考えてしまいました。 またすこし時間が経ったら、もう一度見たいです。
panopticon
5.0
ラスト、生命は土砂に埋もれ、太陽は遮られる。そして無音の暗闇に沈む。 ・ スピード感のある脚本と、乾いた諦観を醸し出す暗く美しい映像に引き込まれる。 ・ フィルムノワールの匂い燻る霧の中の並木道が印象的。 ・ 皆悪に囲まれた中で、悪人が悪人を裁くことは出来ない。 ・ せめて、カティンの森に埋められた人々が安寧の暗闇に眠ることを祈る。 そしてその祈りを忘れずに生きる。 闇に消えた人々それぞれの物語は私の一部になる。 彼は私の一部。私は生きている。
nhori
2.5
ソビエトによるポーランド将校12000人の虐殺を夫の帰りを待つ妻の視点から描き出す。その当時の、ナチスドイツについてもソビエト共産党についても弾圧と統制が支配する屈辱感に怯えて暮らす市民。カティンで夫を殺された思いを口外すればすぐさま秘密警察が飛んできて反抗すれば収容所か殺されるか。やり切れない気持ちで映画を鑑賞する気分ではなかった。
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