ひらヒラ社員 夕日くん

ひらヒラ社員 夕日くん
1970
80分
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一九七〇年、今や日本はGNP自由世界第二位の経済大国にのし上った。しかし、繁栄に取り残された人びとは、まだたくさんいる。炭坑離職者、公害病患者……。そしてホワイトカラーのサラリーマン日食KK営業部員の夕日太郎もその一人だった。女の子にはもてず、仕事はできず、出世街道もままならず、椅子に座って鼻毛を抜いたり、机の下からミツ子ら女子社員のスカートをのぞくのがせきの山のストレス解消法だった。ある日銀行から市川が専務として乗り込んできた。これからはコンピューターをフルに活用して合理化をはかり、コンピューター絶対主義を社員に植えつけるというわけだ。早くも営業部員の青山はそのあおりを食い、網走出張所にとばされることになった。人事考課がコンピューターで行なわれることを知った夕日くんは、自分の無能さから身の危険を感じ、何とか対策を立てようと、キイパンチャーの悦子を誘い出し、細工を頼もうとしていたところ色事師の業平に悦子をさらわれてパアになってしまう。おまけに、悦子は業平にモテルに連れ込まれ、後をつけていった夕日くんがあわやというところで悦子を救ったものの、反対にエッチ呼ばわりされてしまった。そんなことがあってから夕日くんの心はだんだん悦子に傾いていくが、悦子はプログラマーの石沢に好意をもっていて、石沢はコンピューター講師の明子を愛しているため、悦子は夕日くんなど全然問題にしなかった。ある日、社長の健康診断カードを拾った夕日くんは、コンピューターにかけたところ加藤社長の寿命はあと一ケ月という結果がでた。勿論、夕日くんがバアのホステスを社長の二号と早とちりして出したデーターなので結果はでたらめなのだが、噂は噂を呼び社内中にひろまってしまった。すでに社内では社長派と専務派の対立が目立ってきたので専務派はこれさいわいと、新製品のライスケットの売れ行不振を社長の責任にして退陣を迫った。それでは何とか売ってみせようという社長の意地で、夕日くんのところへ廻ってきたのが社長付のセールス。夕日くんは毎日汗びっしょりで販売店廻り、しかしどこへいってもだめだった。そんな時、夕日くんは悦子と二人で山登りに行く約束をして喜ぶが、明子にふられた石沢が悦子を遊びに誘ったため結局一人でいくことになってしまった。そのあげく遭難してしまい、必死の捜索も空しく、絶望視されていたところ、夕日くんはフラフラと下山してきた。ライスケットを食いつないで生きていたのだ。そのことが報道されるとライスケットはどんどん売れ出した。

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