薔薇の標的(1972)

Red Target
1972
94分
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日野昭は異常なほど銃の魅力に取りつかれた男だ。メキシコ・オリンピックではフリーライフルで上位入賞もした。しかし、一年前、会社の射撃部の同僚が爆発事故で死んだため昭に殺人容疑がかかり、不起訴になったものの社会的生命は抹殺されてしまった。そんな昭をマイク・立花という男が見つめていた。彼は暗殺者を求めていたのだ。昭は恰好の素材だった。昭は久しぶりに手にしたフライフの魅力に酔った。昭をアマチュアの射手からプロの暗殺者に仕上げるための訓練が始まった。ある日、昭は動く標的を射たされた。それは人間だった。昭は立花の命令で何人かの男を狙撃した。その中にアメリカのニュース・カメラマン、ロバートがいた。昭は香港の路上で彼を射殺したが、倒れたロバートに駈けよる美しい女、季玲玲の姿を銃のスコープの中から見た。大きく見開かれた瞳は、悲しみと狙撃者に対する憎悪に溢れていた。玲玲は両親を早く失った中国人少女だ。香港のイギリス系新関記者の兄が彼女の世話をしていたが、ラオス戦線で死んだあと、彼と親友だったロバートが彼女の保護者になっていたのだ。だがいつしかロバートは彼女に保護者以上の感情を持つようになっていた。昭は香港のレストランで黒服を着た玲玲を見かけた。その姿は喪にふくしているように孤独だった。来日した玲玲は、ロバートを狙撃した犯人を探しだす決心をしていた。彼女はかつてロバートが立ち寄った立花の研究所に目標を絞った。だが周囲を探す彼女を美青年ばかりの立花の部下が襲った。瞬間的に玲玲を救出した昭はマンションにかくまった。二人は惹かれ始めたが昭には真実を告白する勇気はない。しかし、苛責に耐えきれなくなった昭は、ロバートを狙撃したこを話した。すでに玲玲は昭を愛し始めていた。昭は彼女に変わって研究所の秘密をあばこうと決心した。数日後、野村は昭を捕えた。立花は昭の前に全貌を現わした。彼はネオ・ナチズムを目指す“第四帝国”の極東支部長であり、全世界から頭脳の優秀な美しい若者を集め教育しているのだ。立花は、ロバートが写したフィルムと昭を交換条件にした。玲玲は受け、約束通り男装で取り引きの場所にでむいた。しかし、そこに待っていたのは昭の銃口だった。昭は立花から解放される最後の仕事として一人の男を狙撃することを命じられたのだ。その相手が玲玲であることを知った瞬間、彼の指は引き金を引いていた。昭は立花に対する激しい憎怒に燃えた。昭は野村を倒すと立花と対決した。

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