バンコックの夜

Night in Bangkok
1966
105分
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医学部の研究室でインターンを終えようとする津村修一を、ある日バンコックの富豪の令嬢汪美蘭が訪れた。美蘭は日本の短大を卒業すると、台湾の祖父の使いでやって来たのだ。美蘭の祖父の命の恩人が修一の父であった。初対面の二人は互いに強い印象を残して、再会を約すと別れた。修一は早くから両親を失い、父の友人である原田に援助を受けていたが、その娘正代は、ピアニストとして芸能界に進出し、修一とは幼馴染であった。修一が学界に出席するため京都を訪れた時、正代の公演がちょうど京都で行われた。そこで修一は偶然正代の友人美蘭と再会した。京都・奈良の旅行は二人を急速に近つげていった。特に熱帯病に関心をもつ修一にとって、美蘭との接近は一層研究心をもりあげた。修一の心を知った正代は、修一を力づけて、離れた。バンコックに赴任する修一は、台北に帰った美蘭に会った。美蘭は修一の正代への愛を知って、去ったのだった。だが美蘭も今は修一の心を疑っていなかった。修一がバンコックの大学病院に着任して数十日後、美蘭の父母は、葵蘭の婚約を強引にとりきめた。両親に反抗することの許されない美蘭は、唯一の同情者小間使プラパのみちびきで修一と会った。悲しみにやつれた美蘭は、修一との愛の破局にたゞ涙するのだった。修一も異国の地にいる自分の本当の目的を認識し、二人の新しい人生を祝して、大きな人間愛に生きようと誓った。二人の心を反映するかのように、南の海を夕焼けが炎のように染めた。

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