砂金地獄

Under the Tonto Rim
1928
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今から五十年程前のこと牧畜業の盛んな米国西部のトント盆地に金が発見され、トント・フラッツの町は一夜にして猟金者の群れに満たされた。そしてバッド・ワトソンという青年が鉱区登記係として妹のルーシーを伴ってこの町に赴任してきたかが、サム・スプロールという腹黒い男はバッドの御しやすいのを知って秘かに鉱区横領を企て、人殺しと綽名をとったヒッギンズ一味の命知らずの無頼漢共を呼び集め、ひたすら時機の至るのを待っていた。当時町の近くにエド・デーンミードという青年が住んでいたが彼は父親と共に含鉱砂利の鉱区を発見し、これを登記するために町に赴いたが、その日不運にもエドの父親は何者にか背中を撃たれて死んでしまった。エドは瀕死の父親の口から「一本指でカルタを切る博徒が俺を撃った」ということだけしか聞き得なかった。その兇漢こそサム・スプロールであったが狡猾なサムはその時居合わせた登記係のバッド・ワトソンに、バッドがあやまって彼を殺したように欺瞞し誤信せしめた。そしてサムはそれを種にバッドを脅迫して鉱区登記の書き換えを強要すると同時に、ヒッギンスの率いる無頼の徒を使嗾して一挙に金鉱区の鉱夫達を追い立てようと図った。しかしこの陰謀を慧くも看破したエド・デンミードは早速に自衛団を指揮して悪漢共を逆襲し、ついに巨魁を屠った。

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