マーシャル 法廷を変えた男

史上最初の黒人最高裁判事として歴史に名を残したサーグット・マーシャル（ブラウン判決で有名）の若き弁護士時代を描く。 闘って自由を獲得してきた。 生まれた時から世界の人々に自由を取り上げられて迫害される気持ち。自由は闘って得るものだという。悲しさと強さを感じた。 作中、所々で愛情と感動が気泡のように湧き上がる。胸熱くなる。 「俺の本当の敵は火事じゃない、火そのものだ」 差別に闘っていくことの悲しく熱く強い信念と奴隷という悲惨な過去、今では信じられないが全てが事実だと痛感した。そして今、きょうも世界には少なからず差別が存在する。 悲しい過去を繰り返さないよう学んでいくことが大事なのだと教わった。

1967年にアフリカ系アメリカ人として史上初めて合衆国最高裁判所の判事に任命されたサーグッド・マーシャルの若き日の活躍を描く。 法廷ものとしては真相解明のプロットが弱いですが、マーシャルの優秀さと信念を理解する作品としては合格でしょう。 その辺りは『黒い司法』に似ているかもしれません。 ♢♢♢ マーシャルは32歳でNAACP（全米黒人地位向上協会：National Association for the Advancement of Colored People）の首席弁護人に任命され、32の公民権裁判のうち、なんと29で勝訴するという天才ぶりを発揮。 黒人の公民権獲得に多大な貢献をしたマーシャル役を演じたチャドウィック・ボーズマンもハマり役でしたが、映画としては可もなく不可もなくの出来。 この手の作品ではやはり未だ連邦最高裁判所の現役判事RBGを描いた『ビリーヴ』が頭抜けてます。

事実を言えば殺される... 　 　 実在の人物でアフリカ系アメリカ人初の最高裁判所判事にもなったサーグッド・マーシャル。 　 彼の若き弁護士時代を描いた作品。 　 　 まだ人種差別が色濃く残る、1941年の米コネティカット州。黒人運転手ジョゼフ（S・K・ブラウン）が、白人女性エリー（ケイト・ハドソン）への強姦罪と殺人未遂の容疑で起訴される。全米黒人地位向上協会の弁護士マーシャル（チャドウィック・ボーズマン）は、地元の弁護士フリードマン（ジョシュ・ギャッド）を相棒にして、裁判を戦うことに。しかし、彼は差別主義者の判事から法廷での発言権を奪われ、さらにマスコミからの激しいバッシング、町の白人達からも襲撃を受ける。そんな絶体絶命の状況の中、事件に隠された嘘が次々と明らかになり…。 　 　 　 【ブラックパンサー】のチャドウィック・ボーズマンがマーシャルを演じております。 　 マーシャルのパートナーとなるサミュエル・フリードマン弁護士を演じるのは【スティーブ・ジョブズ（2013年）】で、アップル共同設立者のスティーブ・ウォズニアック役を演じたジョシュ・ギャッド。 　 その他にケイト・ハドソン、ダン・スティーヴンスが出演しております。 そしてジェームズ・クロムウェルが、非常に味のある演技で、フォスター判事を演じております。 　 　 作品としては、法廷ドラマかつ黒人と白人の弁護士コンビによるバディムービーです。 　 人種差別が原因で不当に告訴された人々を救いたいという思いで闘うマーシャル。 　 マーシャルの気合と、マーシャルを演じるチャドウィック・ボーズマンの目力がとにかくスゴイです。 　 　 そして嫌々マーシャルと組むこととなったフリードマン弁護士が、段々と変わっていくところが実話ベースなんだけど王道バディものって感じでした。 　 ラストの二人が電話で会話するシーンが良かったな。 　 　 　 裁判さえも正当に受けることができない差別社会。 　 自由を権利を得るために、どれだけの犠牲と努力があったのでしょうか… 　 　 先人たちが闘って得た自由を手放してはいけない。 　 自由になりたければ闘わなくてはならない。 　 「我々には武器がある。昔は持ってなかった武器がな。 法律だ。 そして、サムもいる。」 　 　 派手なシーンやどんでん返しは無いけど、見応えのある熱い法廷ドラマでした。