志摩半島の英虞湾を臨む志摩観光ホテルのダイニング・ルーム。華やかな正月の盛装の人々の中にあって、群を抜いて際だった一組があった。この一族は、関西の財界にこの人ありと知られている阪神銀行頭取・万俵大介とその家族である。鋭い眼光、端正な銀髪の大介が正面に坐り、妻寧子、家庭教師兼執事の高須相子、長男鉄平と妻早苗、次男銀平、次女二子が大介を中心にして坐っている。年末から新年にかけての四日間をこのホテルで一家揃って過すのが万俵家の長年の慣例であった。金融再編成のニュースが新聞紙上にもとりあげられ、万俵大介の心中は穏やかでない。彼は預金順位全国第十位の阪神銀行を、有利な条件で他行と合併させるべく、長女一子の夫、大蔵省主計局次長美馬中から極秘情報を聞きだした。
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