レイニーブルー

女子高生の中山蒼は、映画同好会ただ一人の部員であり、同郷・熊本県玉名市の大先輩にあたる笠智衆を敬愛している。夏の日の放課後、部室からボロボロの脚本が見つかり、興味を持った蒼はこの脚本について妄想を膨らませていく。一方、クラスメイトの宇佐美は、自分の存在や変な趣味をできるだけ人に知られないように生きている。人目を気にせず自分がやりたいことだけを押し通す蒼とは正反対で、全く気のあわない二人だったが、なぜか互いの行動が腹立つほどに気になってしまう。高校卒業後の進路を周りからとやかく言われるのが億劫になってきた蒼は、ある日ラジオから流れてきた『レイニーブルー』を耳にし、急に走りだす。