天晴れウォング

The Hatchet Man
1932
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所はサンフランシスコの中華街。時は15年前。中華街は二つの私党に別れ、折りある毎に紛擾が絶えなかった。ウォング・ロー・ゲッツはレム・シン党の「刑罰執行者」という家柄で祖先代々鉄斧をとって党の仇を倒す役目を忠実に果たしてきた名誉ある男であった。レム・シン党の有力者が暗殺され、両党の戦端は開かれ、ウォングは敵のスン・ヤ・ミングを殺害するように党の幹部から指令をうける。スンはウォングの幼児からの親友であったが党の神聖な命令もだし難く彼はスンを殺しに赴く。折しもスンは身にかかる運命を察知して公証人を呼び全財産をウォングに譲り、当時6才の娘トーヤが成年に達した暁にはウォングの妻となるべき旨を遺言していた。ウォングが訪れて、彼の使命を告げるとスンは天命と知って悪びれもしないが娘トーヤを必ず幸福にさせるようにとウォングに誓わせる。ウォングはそれを心から誓い泣く泣く親友の首を刎ねた。ウォングはこの店舗をつぎ富裕な商人となり、15年の歳月は夢のように流れた。トーヤは花羞かしき娘となったが軽佻な現代の気になづみ踊り場などに出入りするうちにハリー・エン・ハイと名乗るモダン・ボーイと相知る様になる。ウォングはトーヤの美しくなるのを見ているうちに彼女を深く愛するようになり、ある日彼女に結婚を申し込む。トーヤは亡き父の遺言を知っていたので素直に承諾する。彼女もウォングの親切に感じており、決して嫌いではなかったのである。その時またもや党間の紛擾が勃発したのでウォングは再び鉄斧をとるべく命令されたが彼はことを平和に解決しようとして単身反対党の会議に臨む。反対党の顧問格でマローンというギャングスターがいて、一人強硬なる言辞を弄したがその夜、彼はウォングに倒され紛擾は解決する。帰ってみるとトーヤは留守番の壮士として党から任命されたエン・ハイと近しくしているのであった。ウォングは党の掟に依りエン・ハイを殺そうとするがトーヤが彼を愛していることを知り彼女を離別して自由に委せる。ウォングがエン・ハイを殺さなかったことが知れて彼は党より除名され、彼の店はにわかに衰えた。ウォングは店をたたんで田園に隠遁する。しばらくして彼はトーヤとエン・ハイが故国中国に帰ったこととトーヤが虐待されていることを耳にした。彼は親友スンとの誓約を忘れてはいなかった。彼は決然として、鉄斧をとり出し中国に赴きトーヤの売られている茶館へ行く。トーヤはウォングの姿を見て思わず駆けより、罪を詫びた。茶館の者が遮ろうとするがウォングは彼女を伴って堂々と退出する。一室には神聖な斧の一撃をうけたエン・ハイの亡骸が冷たく横たわっているのであった。

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