かかってこいよ世界

東京でミニシアター『白鯨坐』を営む祖父の正一（菅田俊）と2人で暮らしている浜田真紀（佐藤玲）は、脚本家を目指しているが、なかなかうまくいかない。ある日、真紀はバイト先の居酒屋で酔っ払いに絡まれているところを助けたことから、新井国秀（飛葉大樹）と出会う。思いがけず白鯨坐で国秀と再会すると、真紀を応援したいと目を輝かせる国秀に感激し、恋に落ちる。映画配給会社で働く国秀は、在日韓国人を題材にしたドキュメンタリー映画を白鯨坐で上映したいと正一に掛け合う。正一は上映をしぶるが、国秀の熱い思いを汲んで上映することに。脚本や上映会の相談を重ねるうち真紀と国秀の仲は深まっていった。ある夜、国秀は真紀に自身が在日韓国人3世であることを打ち明ける。真紀は突然の告白に動揺し、その瞬間から2人の関係は徐々に変わっていく。韓国人を嫌っている母・文代の上京や、白鯨坐の炎上騒動に真紀はふさぎ込んでいく。真紀の不用意な一言で傷ついた国秀が去っていき、真紀は初めて自分の差別心に気が付く。真紀は自分自身と戦い、国秀と向き合おうとする……。