吸血婦

This was A Woman
1948
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ロンドン郊外に住むラッセル一家は、平凡な幸福な中流家庭であった。主人アーサーは給仕から勤めあげて、会社の一部長の椅子にあり、家庭では愛犬ヘスと戯れ、バラいじりが道楽である。息子テリイは若い精神科医、娘フェネラはピアノが好きでテリイの友人のクリスチイと恋愛に落ち婚約中である。アーサーの妻シルヴィアは、確り者の主婦であったが中年に達した今、人目には分らないが偏執狂的な支配欲に取りつかれている、娘がクリスチイのものになるのを憎み、シルヴィアは女中エフィを丸め込んで、クリスチイを誘惑させたが失敗し、二人は結婚してしまう。夫が犬のヘスを愛するのも妬ましく、ヘスを殺したシルヴィアは、気の弱い夫アーサーが詰まらなくなり、知合いのペンローズと結婚したいと妄想を描き始める。一方娘夫婦の幸福が目障りで堪らなくなったので、エフィをそそのかしてクリスチイにキッスさせ、その様をフェネラに目撃させたので、若夫婦は別居してしまう。ペンローズを自分のものにするには、アーサーが邪魔なので、悲しんでいるフェネラにテリイと共に旅行に赴かせ、その間にアーサーを毒殺した。そしてペンローズに愛を強要すると、彼にきっぱり拒絶される。父の死の報に急ぎ帰宅したテリイは、医師という職業柄、死因に疑いを持って調べると、砒素中毒であり毒殺犯人が母である事が分った。フェネラはクリスチイがエフィとキッスしたのも、母の奸計と知って、もともと愛し合っている二人は、許の鞘におさまった。テリイは母が異常性格で変質者である事を知って告発した。シルヴィアは逮捕に来た警官に対しても、悔いる気持もなく昂然たる表情であった。

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