レビュー
レビュー
    star5.0
    【全員熱演、愛情の連鎖に涙】 構成、演出、映画の雰囲気、そしてなんと言っても出演陣の熱い演技が素晴らしいし、強い人間愛の連鎖に何度も泣けてしまう。無駄なシーンもないし、非の打ち所がない。 第40回日本アカデミー賞6部門受賞。監督・脚本は自主制作映画『チチを撮りに』の中野量太、商業用長編デビュー作。本作で宮沢りえが日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、杉咲花が日本アカデミー賞最優秀助演女優賞受賞。 宮沢りえ、杉咲花、そして個人的には子役の伊東蒼も含め、熱演が光る。安澄(杉咲花)の、母の前では泣かないと決めながら、涙が漏れ落ちるラストの表情、双葉(宮沢りえ)の、末期状態で流す一粒の涙がそれぞれ強烈に印象に残る。鮎子(伊藤蒼)も含めた女3人の自然体の演技がとても雰囲気がいい。 そして双葉から力強く発される愛情に、登場人物達が呼応し、そして連鎖していくこの映画の愛情の図式。この“人間愛のぶつかり合い”が何度も泣ける。ラストシーンも、タイトルの意味を強調した、銭湯が舞台のこの映画ならではの美しさ。原作・脚本の力強さがあると思う。 全体的にも、コミカルな演出や、それらを自然にこなす演技がたくさんあり、決して暗い映画に見えない。お涙頂戴になりがちなこの手の映画の中で、決定的な強みだと思う。お父ちゃん(オダギリジョー)が包帯を巻いて登場するシーンには笑った! 鮎子が母親から別れを告げられたシーンが、実は双葉のものだったり、静岡旅行へ出発するシーンと、双葉を乗せた霊柩車が家を出るシーンを同じ構図にしていたり、構成・演出も工夫があちこちに。 見てよかったと素直に思えた映画。
    480
    あの人のためならなんでもしてあげたいって思うというか… たぶんそれってその何倍もしてもらってるって思えてるからなんじゃないかなって
    290
    母の愛、そして生きることはかくも素晴らしい。 私の2016年のベストムービーです。(暫定) 今、私が求めているものを全て表現してくるている映画だった気がするのです。 そしてね観終わってから理解できるこのセンスのいいタイトル、最高です。 開始10〜20分ぐらいから、泣き始めてしまいました。涙脆い人は要注意!(私だけかもしれないけど笑) イジメにあったあずみ(杉咲花)が絵の具まみれになった姿を見て、「1番好きな色は?」「母ちゃんはね、断然赤。情熱の赤が好き」って答えるんですよね。母の優しさを感じてもう涙腺崩壊…。こんなお母さんいいです。 全くもってお涙頂戴な雰囲気はないんですが、母のそして、家族のあったかくて優しい気持ちをグングン感じて胸がジーンとなります。しかも伏線の回収の仕方がすごく自然でさりげなくていいです。 キャストの演技も素晴らしく、宮沢りえの様々な人を優しさで包み込む演技、杉咲花の等身大で自然な演技、オダギリジョーの飄々としていてなんとも頼りがたいけれど憎めない父。駿河太郎、松坂桃李(いつの間にこんなに上手くなった…?)もいい演技してました。 余命ものでありながら、死に重点を置くのではなく生きることに視点を置いているのが好感を持てました。だから直接の死ぬ描写はないのも納得です。また、ラストの衝撃がなんとも。こういう終わり方はなんか新しくていいですね、演出がほんとに神がかっている映画です。 観た後にほっこりして、人に優しくなろうと思える感動作です。是非、劇場で愛を感じて欲しい。 「こんなスケールの小さいお父ちゃんに、全て任せて安心できないわ。不安で不安で仕方ないわ。」
    180