真夜中のボクサー

真夜中のボクサー
1983
92分
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激しい闘いの末、世界チャンピオンの座についたプロボクサー・山中健一は、会長の「八百長」という言葉を聞いた。怒り、絶望した彼はグラブを捨てる。七年後、放浪の旅を続ける健一は、小林という奇妙なサラリーマンに出会い、誘われるまま強盗の片捧をかつがされる。逃げるようにその町を離れた健一は、とある川べりに建つ無人のプレハブ小屋に泊るが、そこへ数人の不良たちに強姦された少女・恵がころがりこんできた。全てを察した健一は無言のまま毛布を少女にかけてやり、翌朝、少女は去っていった。その後、健一は長野、東北と流浪するが、トレーニングはやめなかった。北海道に渡った健一は、ある町のガソリンスタンドに職をみつけ住み込む。店で働く茂と友達になり、店主の娘・文はいつしか寡黙な健一に想いを寄せるようになるが、一方、その文には本山がいい寄っていた。充実した日々を送っていた健一だが、ある日、著名なカメラマンにその存在をスクープされ報道陣が押し寄せた。そこにテレビでニュースを見た小林が現われ、健一に現チャンピオンと試合をしろという。が、健一はとり合わない。しかし文の「逃げないで」という言葉に試合を受ける決心をした。健一の本格的なトレーニングが始まった。町の人々の暖い声援に包まれて、健一は東京へ。試合当日、観客のいない会場はあわただしく準備が行われている。突然、健一とチャンピオン・赤木の二人がリングに上がった。TV中継のスタッフは驚き、駆けつけた会長も唖然とする。それは健一と赤木の示し合わせた行動だった。勝負は一瞬のうちに決まり健一は勝った。北海道に戻った健一は、約束したバイクをもらい、文と別れひとり流氷を見に果てしない旅路へと向かって行った。

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