ボーダレス アイランド

台北旧市街で母とふたりで暮らすロロ（李佳穎）は、鬼月初日の朝、古い本のページの間に挟まれた一枚の風景写真を見つける。その海の写真の裏には、顔も知らない日本人の父の名前があった。父は、母と生まれたばかりのロロを捨て沖縄へ帰ったのだと母から聞かされていた。「一度父に会い、真実を確かめたい……」ロロは日本語を勉強中の友人アーロン（朝井大智）にサイクリング旅行へ行こうと誘い、母の猛反対を押し切って沖縄へと旅立つのだった。写真を手掛かりに“みらく島”を目指すロロだったが、そこは旧盆の三日間、外部の者は島に立ち入ることを禁じられていた。だがふたりは半ば強引に船へ乗り込み、島へと向かう。旧盆初日“ウンケー”の日。その島で、ロロは不思議な人々の姿を目撃する……。