大牧ボクシングジムのトレーナー兼選手・瓜田(松山ケンイチ)と、ジムで20年ぶりの日本チャンピオンを狙う瓜田の親友・小川(東出昌大)。高校の先輩・後輩の二人だったが、瓜田はどんなに努力しても試合では負け続きで、ジムの後輩たちにも軽んじられていた。一方、瓜田の勧めでボクシングを始めた小川は、天性の才能ですぐに瓜田を追い抜き、瓜田を介して知り合った天野千佳(木村文乃)とも付き合っていた。千佳は瓜田の幼馴染にして初恋の人で、今も好意を寄せているがその想いを伝えられずにいた。自分が欲しいものすべてを掴んだ小川を瓜田は羨むが、小川と千佳の関係を応援することしかできなかった。順風満帆に見えた小川だったが、ボクシングの影響で脳に障害が現れ、競技を医者に止められる。千佳は引退してほしいと頼むが、チャンピオンを目指す小川は聞き入れない。千佳は瓜田に説得を頼むが、自分では届かない高みを掴もうとしている小川を止められる訳がないと突っぱねられる。ある日、さえない男・楢崎(柄本時生)がジムを訪れる。ゲームセンターで働く彼は、同僚の女性に片思いしている。客とトラブルになり、ボコボコにされながらも、「ボクシングをやっているから素人には手を出せない」と嘘をついて引っ込みがつかなくなって、近所の大牧ジムにやってきたのだ。楢崎は瓜田に“やってる風”程度のトレーニングを頼む。しかし、日々の練習や、チームメイトとの関係を経て、いつしかボクシングに魅了されていく。小川に日本タイトルマッチの話が舞い込み、同じ対戦日、負け越しが続いた瓜田にはデビュー選手との対戦がマッチメイクされ、楢崎もデビュー戦が決まる……。
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