長い外国巡業を終え、イヴァン(ジェラール・デザルト)は劇団と共に列車でパリに向かっていた。だが、パリに帰っても何もするあてのない彼。劇団員の奇妙な自殺もあり、彼はもう劇団をやめる決心をする。やがて、パリに着いたイヴァンは、クセニー(ロレーヌ・レーネル)という娘に出会い、新しい出発を始めた。そしてある日、彼は街で〈休息用メガネ〉を買う。それは生活に疲れた人間をいやすためのもので、かけると何も見えなくなるのだ。早速、彼はそのメガネをかけ、不快感のない暗黒の世界へ没入した。街の中で盲人を装うことにより、新しい現実を構成する彼の暗黒の中で、古いパリは炸裂し、狂気が生まれ、不吉な妄想が彼を恐怖に陥し込む。イヴァンの唯一の理解者のクセニーは、彼にもう盲人を偽ることをやめてくれと懇願するが、もはや、イヴァンにとって、それは「盲目ごっこ」ではなかったのである--。