レビュー
レビュー
    star4.5
    真っ先に思ったことは、「ついに『2001年宇宙の旅』がアップデートされたぞ」だった。 人を人たらしてめているのは「武器」である。 キューブリックが信じてきたのは、いまでこそ鼻で笑われるようなトンデモ思想「キラーエイプ理論」だった。人類は殺し合いをしたから進化してきた、すなわち、あの有名な「投げた骨が原子力衛星になる」史上最大のジャンプカットに、「人間とはなにか」を集約させていたわけだが、本作『メッセージ』ではその考えにノーを突き付けた。人類にとっての最大の武器は「言語」であると説いているのだ。つまり「対話」の力である。 モノリスが「殺すための武器」を与えてくれたことの対比として、モノリス風の宇宙船に乗ってきたヘプタポッドは「救うための武器」を授けてくれたわけだ。そして3000年後の未来に、地球人と「対話」することで自らの平和が望めると教えてくれる。なんて素敵な共存関係だろう。 そしてこのwin-winの関係は「非ゼロ和ゲーム」であり、「ゼロ和ゲーム」の象徴である麻雀的思考に支配された中国が、率先して友好を築くなんて、これもまた粋な発想である。 それから「時間の流れ」に逆らった存在を、「記憶」としてビジュアライズしたことは凄まじい、という凡庸な感想も付け加えておく。
    451
    2021.6.23.045 ネタバレあり 原題“arrival” 原題のほうがよかったような。 前半、ジムで走りながら観たために、あまり深く入り込めなかったことを反省。ある日、世界各地に出現した謎の物体。「すわ!宇宙人の侵略か!」と、世界の国々は連絡を取りつつ、謎の物体内に侵入し、内部の者とコンタクトを取る。中にいたのはタコ型の巨大生物。何か唸っているが何を伝えたいのかわからないため、そこで言語学者ルイーズに白羽の矢が立つ。「彼らが何者で、何のために地球へ来たのか」を聞き出すためにルイーズは宇宙人(のちにヘプタポッドと名付けられる)と対話を試みる。ヘプタポッドは、環状の文字を操るため、それの解読することこら始め、だんだんとコミュニケーションが取れていく。彼らの目的を問うたところ「武器の提供」とだけ回答があった。そこで「すわ!戦争か!」と殺気立つ人類。しかし実は、ヘプタポッドの目的は侵略ではなかった。彼らは過去、現在、未来を自由に往き来し(同時に存在する?)人類より遥かに知能が高かった。人類を救い、そして自分たちを救うため、いわば人類を次元上昇させるために到来したのだった。ルイーズは、環状文字の研究をし、ある程度操れるようになったとき、自分もまた時間の概念が変わる実感をもつようになるだった。 “言葉が文明をつくる”というワードがあったが、言語が価値観や世界の見方を固定化するってことは、確かにありそう。科学、言語学、なかなか興味深い映画だった。考えれば考えるほど深みにハマる。次観るときはもっと集中して観よう。
    330
    宇宙から来た物体の謎を解明する言語学者の映画です。 なんじゃこりゃー( ゚д゚) これは…好き嫌いがかなり分かれるでしよー 難解な映画好きには好まれそうですし、ライトな映画ファンからは厳しい評価も出そうで、それがFilmarks以外はどのサイトを観てもそこまでこの映画が高評価になってない理由だと思われます。 お金もかかってそうでスケール感の大きい作品ですが、基本物体の中でのやりとりなので起伏がなくダレてきます。 本作を個人的にはかなり期待していましたがイメージと違い終わった後の爽快感はなく、地味にしんみりと進行していく映画です。 (映画としての完成度は高いと感じましたが、個人的な嗜好からは外れていました) 決してカメラワークは悪くはなく謎も気になるのですが、相手の文字を読解する為にトライする場面がかなりの割合を占め、最初は興奮しますが何度も続くと流石に飽きてきます…(*´Д`*) 異星人もありがちなB級タコタイプなのも残念で、脚本も雑でご都合主義な部分が数ヶ所あります。 イアン役のジェレミー・レナーはもっと活躍してもよかったかも。 ラストは「えっ!」思う人なら好感触でしょうし、心に響かなかった人からは低評価でしょうね。 私は途中で気づいてしまったからあまりガツンときませんでした…(*´ω`*) 人によっては難解に感じるであろう映画で、よく分からないまま終わる人もいるでしょう。 ネットを見ると原作読者さんからは低評価が散見されますね。 ※どうやら原作の重要な箇所が映画ではばっさりカットされていて不自然・説明不足になっているようですね。
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