レビュー
レビュー
    star3.5
    2020.7.18.124 ネタバレあり 原題“12 Years a Slave” 奴隷生活12年、と言ったところ? 19世紀、自由黒人という身分のソロモンは音楽家として活動していたが、ある日仕事での依頼を受けワシントンへ。そこで拉致され奴隷として売られてしまう。農園で過酷な労働を強いられ、主人の気まぐれでムチを打たれたり殺されそうになったり。拷問のシーンはむごくて見ていられない。途中ソロモンが首を吊られる場面があるが、ただ吊られて苦しむ姿が1分半にわたり流れる。BGMも無く映像でじっくり、しっかりと観せる映画で、胸に迫るものがある。少女の奴隷が主人に気に入られて、主人や夫人の嫉妬を受け酷く拷問される場面も。実際には、女性の奴隷を慰みものにして子供を生ませ、さらに奴隷を増やす行為も行われていたらしい。奴隷制度とは、人間の尊厳を踏みにじる悪法だな、と改めて感じた。 ラストはブラピ演じるカナダ人労働者の手助けを受けて、自由黒人として元の主人の下に帰る。ソロモンはその後、奴隷解放のために活動を続け謎の死を遂げたそうだ。 邦題の“それでも夜は明ける”は好き。ソロモンの夜は明けたが、夜が明ける前に倒れていった同胞たちもたくさんいたことだろう。その後奴隷制度廃止で、夜が明けたと言ってもいいが、まだ黒人差別は根強い。そういうことを考えると、現代でもいまだ“夜明け前”と呼んだ方が的確かもしれない
    320
    差別はいけない。というのを視覚的に理解してもらう上において、この映画は最適だろう。 最もこの映画で描かれているのは、差別というものをはるかに超えた、黒人の尊厳を奪う残虐な暴力、人権侵害そのものだが。 ある程度醸成された社会ならば、このようなことは起こり得ないかもしれない。しかし現実に、人権が守られていない国ではやはり、道理の外れた人権侵害が起こる。問題は、その現実に対してどう対処できるか、ということなのかもしれない。 これはかなり深刻な要素をはらんでおり、要するに(見捨てられる他人)に対して、良識ある人々が(行動)できるのかどうか、にかかっているのだろう。差別意識は教育で変えられるのかもしれないが、人権侵害は、国家や社会の歪な構造そのもの。 誰かを傷つけることも、見捨てることも、罪。でも後者に対して罪の意識を感じる人間は少ない。 他人に迷惑をかけない人間よりも、他人を助ける勇気が持てる人間。それこそが社会に必要なのかもしれませんね。
    110
    とても社会派な映画。そして、観ていてとても心が苦しくなる。鞭打ちされ、毎日のように死んでいく奴隷や、木に吊るされ殺されそうになる主人公など、当時の黒人奴隷の生活が克明に描かれている。 あまり日本人には馴染みがない内容かもしれないが、タイトルが示す通り、最後にはハッピーなエンドが待っていた。しかし、それでも途中までの残酷さは拭えない。しかも実話なのだから凄い。 印象的だったのは、木に吊るされた主人公の後ろで、いつも通りに仕事に向かう他の黒人達。何もないかのように振る舞う姿はとても異常だった。そして、カナダから来た人の人は平等だと言う台詞。自分もその通りだと思った。 差別されている人だけでなく今苦しんでいる人達全員に受け入れられる映画だろう。演技も素晴らしいし、良い映画。
    100