1834年、天才ヴァイオリニスト、パガニーニ(クラウス・キンスキー)は、華麗なオペラハウスで演奏しながら様々な女性とのスキャンダラスな情事を思い出していた。家に戻ったパガニーニは、若く美しい妻アントニア・ビアンキーニ(デボラ・キンスキー)と口論の末、次の演奏旅行に息子のアキーレ(ニコライ・キンスキー)を連れていくことにする。「パガニーニ・マニア」が起こるほどの熱狂ぶりの中、彼は息子に愛を注ぎながら演奏旅行を続ける。しかしパガニーニは、その奔放な行動で、プロモーターを破産させた挙句、肺炎による高熱で起き上がることも出来なくなる。最後の力を振り絞って館の庭でヴァイオリンを弾くパガニーニは、遂に吐血し、アキーレの目の前で息絶えるのだった。彼の遺体は一旦は埋められるものの掘り返され、船にのせられる。船の上には棺をかばうように抱え込む息子アキーレの姿があった。