アントニオ(ランベルト・マッジォラーニ)は長い失業のすえ、ようやく映画のポスター貼りの仕事を得た。仕事に必要な自転車を質屋から請け出すために彼はシーツを質に入れた。六歳の息子ブルーノ(エンツォ・スタヨーラ)を車に乗せ、彼はポスターを貼ってまわった。ところがちょっとしたすきに自転車が盗まれてしまった。車がなければまた失業だ。アントニオは無駄とはわかっていても警察に行った。毎日何千台も盗まれている時だ、警察は相手にしてくれない。こうしてアントニオ親子の自転車探しがはじまった。