基本情報
基本情報
    原題
    哀しみのベラドンナ
    製作年
    1973
    日本
    ジャンル
    ファンタジー/アニメーション/ドラマ
    上映時間
    93分
    あらすじ
    中世フランスの美しい農村。熱い恋をして結ばれたジャンとジャンヌは、ささやかな結婚式のあと、領主のもとへ、貢ぎ物の金貨を献上しに行った。当時、すべての快楽と苦痛は神の、またその化身の領主からの授けものと考えられていたのである。だが、ジャンヌの魅惑的な姿態と清楚な美しさは、領主や家来たちの欲情をかきたたせることになった。やがて、ジャンヌの無垢な肉体は彼らのなぐさみものとなった。翌朝、ジャンヌは見るも無惨な姿で城から帰って来た。ジャンの優しい抱擁もいたわりの言葉もジャンヌの心をいやしはしなかった。それはジャンにとっても同じだった。ある夜、ジャンヌは糸紡ぎをしている時、何か絶望の淵から救い上げてくれる力を期待している自分に気ずいた。だが、それは悪魔たちの誘惑にちがいないと思ったジャンヌは、慌てて自分の考えを否定した。一方、村では飢饉が広まり、その上、領主の無暴な重税取り立てにより人々は苦しんだ。だが、ジャンヌとジャンの家だけはジャンヌの糸を紡むぐおかげで、税金を払うことができたために、人々はジャンヌは悪魔の力にとりつかれていると噂するようになった。今では税取り立て官に任命されているジャンは、戦争が始まったため、戦費をかき集めるように領主に命令された。だが、金は思うように集まらなかった。ジャンは領主の怒りを買い、左の手首を切り落されてしまった。この頃からジャンヌの魂には神への反逆の炎が静かに燃え上っていった。領主たち始め、ほとんどの男たちが出兵してしまった後、ジャンヌは村の経済を一手に握ってしまった。戦争から帰って来て、人々のジャンヌへの尊敬ぶりに怒った領主は、神の座を犯す者としてジャンヌに魔女の烙印を押した。村から逃れたジャンヌは無限に広がる原野に辿りついた。もう彼女を束縛するものは何もなかった……。その頃、ヨーロッパ全土を黒死病が襲った。ジャンヌがいた村も壊滅状態に近かった。だが、半死人のまま棄てられた何人かの者は、ジャンヌがベラドンナという毒草から作った薬で救われた。それを聞きつけた村の人たちは、ジャンヌのもとへ押しよせた。やがて、ベラドンナの園では、神の重圧から解き放れたように、人々の楽しげな宴がくりひろげられた。一方、城にも黒死病はしのび寄った。領主はジャンを使って何とか毒落しの製造法を聞き出そうとしたが、ジャンヌは堅なに拒否した。ジャンヌのふてぶてしさに領主は火あぶりの刑を宣告した。十字架にはりつけにされたジャンヌに火がはなたれた。思わずジャンは、刑場にとび出て領主に罵倒を浴びせた。その瞬間、槍がジャンの胸をつらぬいた。苦しげに虚空をつかむジャンの姿に炎につつまれたジャンヌの表情がかすかに動いた。「ジャン……」といったのかもしれない。