核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝

Blessures atomiques
2006 · ドキュメンタリー · フランス
53分
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2012年に95歳となった肥田舜太郎医師は、2011年の東日本大震災に引き続いて発生した福島原発事故以降、放射能に不安を抱く人々の要望に応え、自身の広島での被爆体験と被爆治療に当たった経験を元に、低線量被曝、内部被曝についての講演を日本全国で続けている。直接被爆していない人々までもが、“体がだるい”という原因不明の症状を発症していくことに対する疑問を、戦後30年経った1970年代にやっと理解できるようになったと語る肥田医師。その理解の元となったのは、アメリカの原発製造会社ウェスティングハウス社に勤めていたスターングラス博士が低線量被曝の実態を研究した著書『低レベル放射能』。スターングラス博士は、原発からは平常運転時にも放射能が漏れており、その地域のがんの発症率が高いというデータを挙げ、原爆投下後の調査でも低線量被曝の影響をアメリカは意図的に隠してきたと憤る。日米両政府が被爆者の実態を隠してきたことを明らかにし、原爆投下から67年後に福島原発事故が起きても、日本政府の対応が何一つ変わっていないことを訴えるのが本作。“どれくらいの放射線が人体にとって限界なのか、広島、長崎での調査を元に、アメリカのABCC(原爆障害調査委員会)が基準を決めている。ほんの少し体内に入った放射線の粒がどれだけ人体に影響を与えるのか、科学を名乗った最も権威のある集団が嘘をついているのです”と肥田医師は語る。

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