白鳥の歌なんか聞えない

白鳥の歌なんか聞えない
1972 · ドラマ · 日本
90分
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それは、モクレンの花か咲き始め、東大入試で、薫は浪人する決意を固めた頃。由美はめでたく名門女子大学に合格し、二人は薫の自転車で町内を一周、モクレンのある斎藤さんの所を過ぎ、コデマリの生垣のあるお屋敷の藤椅子に、いつものお爺さんがいないのに気がついた。ある日、由美とデイトの最中にバッタリ会った由美の大学の先輩小沢圭子を送った薫の家に、日比谷高校の朋友、小林と横田が遊びにきていた。しばらく後、薫の前に現われた由美の様子はいつもの由美と大分違っていた。別れ際に薫に頬を寄せるなんて信じられない大問題だ。翌日、由美から、“あなたがとても好きです 由美”という手紙と共に犬の縫いぐるみのプレゼントを受けた薫は、由美に意見しようと彼女の家の前までやってきたが、とても声などかけられない。そこに圭子がGTに乗って現われた。どうやら由美の心境の変化は、この圭子に関係があるらしい。「あなたのお爺さんのことをお聞きしたいのです」「いいわ家にいきましょう」静まり返った大書斉の中に、ぎっしり積まれた膨大な書物を、お爺さんは全部読んだという。薫は、そんな人間が、人生の黄昏を迎え病気になったら人間の一生の努力なんて虚しさだけが残るのではないだろうか、由美は死を見つめる淋しさから逃れるために自分を求めているのではないかと思った。薫は、その夜圭子にキスしたのも、そんな由美の考えに反撥したからに他ならない。果して由美は、お爺さんの死を前にして感傷的になっていた。ある夜、由美から電話があり、直ぐ来てくれという。お爺さんの死を前にして、圭子も邸にいたたまれなくて由美の家に来ているという。連絡してくるであろう電話のベルに耳を傾けながら、三人は思わず息をつめる。まるで白鳥の歌でも聞こえるかの様に、二人がいる安心感からか、圭子は眠り始めた。由美は薫を隣室に促して服を脱ぎ始めた「抱いて」。こんな死の影を怖れる様な形では絶対にいけない「駄目だよ」。ベットに裸体を横たえている由美の手が薫の手を掴んだ。薫も由美の手を握りしめ、そのまま由美を抱きしめた。目がくらむ快感の中で、薫は身動き一つできぬまま射精していた。その時、階下で電話のベルが鳴り響いた。圭子のお爺さんの死の知らせだった。由美は薫に圭子を送らせた。圭子が静かにいった。「ごめんなさい貴方達まで捲き込んでしまって。でも私、本当に死ぬなんて思っていなかった」圭子の眼に涙が光っていた。薫は今来た道を引き返す。まだ由美の部屋に灯りがついていた。モクレンの枝を門にたてかけ由美の部屋を見上げた時、薫の頭の中にこの六日間の出来事が去来して、急に涙が溢ふれそうになった。「白鳥の歌なんか聞えない」薫は、はっきりそう想った。

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