デカローグ<第8話 ある過去に関する物語>

Dekalog, osiem
1989 · ドラマ · ポーランド, 西ドイツ
56分 · PG12
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ワルシャワ大学で倫理学を教えるゾフィア(マリア・コシャルスカ)を、アメリカの倫理学者で彼女の著書を英訳したエリザベタ(テレサ・マシェスカ)が訪ねる。講義を是非見たいというエリザベタをゾフィアは喜んで歓迎する。講義で学生から倫理を巡る質問を集めるゾフィアに、学生が妊娠中絶をめぐる医師の判断の話(第二話の物語)をする。この倫理のジレンマを明快に解きほぐしたゾフィアに、エリザベタが第二の質問をした。時はナチス時代のワルシャワ。不正な洗礼に立ち会うことは神に対して偽りを述べることになるため、ユダヤ人少女の命を守るための洗礼の後見人になるのを拒んだカトリックの夫婦の倫理とは? 授業のあと、ゾフィアはエリザベタに言う「貴方があの時お嬢さんだったのね、無事でこんなに立派になってくれて嬉しいわ」。日が暮れて、二人は43年に初めて会った当時のゾフィアのアパートに行く。エリザベタは誰でも自分の命が大事なのだから恨んではいないというが、二人のあいだには張り詰めた時間が流れた。やがてゾフィアが真相を語る。あのとき自分たち夫妻が後見人になるのを拒否したのは宗教的理由からではなく、エリザベタをかくまうことになっていた地下活動の仲間が密通者だという情報があったからだった。だとしたらエリザベタは早晩ゲシュタポの手に落ちるだけでなく、組織の存亡まで危うい。しかし組織の安全のためにも当時のエリザベタに真相を語るわけにはいかなかった。エリザベタの問いそのものについて、ゾフィアの倫理になんらやましいことはなかった。ただその密通者だという情報はまったくの嘘であり、そのために善意にあふれた仲間を深く傷つけてしまったことは弁解のしようもない。エリザベタはその晩ゾフィアの家に泊まり、翌朝かつて彼女をかくまうはずだった男に会いに行った。今では仕立屋を営んでいる男(タデウシュ・ロムニキ)に彼女は心からの感謝を伝えようとするが、男はただ服の注文を訊ねるだけだった。

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