デカローグ<第10話 ある希望に関する物語>

Dekalog, dziesiec
1989 · ドラマ · ポーランド, 西ドイツ
59分
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会社員のイェジ(イェジ・シトゥール)とロック・シンガーのアルトゥル(ズビグニェフ・ザマホフスキ)兄弟の父が亡くなった。見るからにうらぶれた父の部屋で、二人は膨大な切手のコレクションを見つける。男が訪ねてきて父に金を貸していたと言う。借金のカタに切手が欲しいようだが兄弟は金を準備すると答える。二人はイェジの息子に飛行船が描かれた三枚の組切手を与え、アルバム一冊を切手交換会に持ち込むが、そこで父が大コレクターだったこと、コレクションに途方もない価値があることを知る。イェジは慌てて息子から切手を取り返そうとするが、既に交換したあと。交換相手の青年を叩きのめし、切手を買ったという切手商を訪れるが、体よく追い返される。アルトゥルは囮捜査で切手商をはめて切手を取り返す。イェジは父のメモから「赤のメルクリウス」という切手があればコレクションが完璧になると知る。例の切手商が世界で唯一の「赤のメルクリウス」の持ち主を教えると言ってきた。持ち主は彼の持っている切手と交換したい、彼の切手との交換条件は、腎臓病の娘のために二人のうちのどちらかの腎臓をくれというもの。血液型が合うイェジは悩みに悩むが、コレクションのために承諾する。イェジが退院し、アルトゥルは「赤のメルクリウス」を見せる、しかし手術の日に泥棒が入り、これ以外の切手は全部盗まれていたのだった。泥棒が進入したのはイェジが面倒くさがって防犯装置を切っていたからだった。兄弟は疑心暗鬼になってそれぞれに相手が犯人かもしれないと刑事に密告する。ある日、イェジは郵便局で最新の記念切手をワンセット買い(窓口係は第6話のトメク少年)、出口でアルトゥルとすれ違う。すると通りの向こうに例の借金の男、子供を騙して切手を取り上げた男、それに切手商が挨拶を交わす姿が見えた。兄弟は父のアパートで会い、お互いに、実は警察に兄弟が犯人かも知れないと密告したことを告白する。そして二人は買ったばかりの同じ記念切手を並べ、笑い転げるのだった。

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