ひだるか

Hidaruka
2005
113分
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原陽子(岡本美沙)は、地元のテレビ局・福岡中央テレビ(HCT)の売れっ子ニュースキャスターだが、職業上の大きな曲がり角に立っている。経営難に直面したHCTの企業合理化で、キャスターとリポーターの兼任を迫られたのだ。HCT自体が、キー局のBSデジタル放送や地上波のデジタル化という地方局の根幹を揺るがす事態に直面していた。陽子は、職場の上司で恋人・森嶋純一(四方堂亘)に、キャスター専任を働きかけるが、彼の反応は鈍い。森嶋自身が製作部長に抜擢されたばかりで、リストラを推し進める立場に立っていたからだ。陽子の相談相手であり、局内で唯一心を許している深町誠治は、社会部の放送記者だ。ある夜、陽子は深町と出かけたバーで、劇団女優の塚本詩織という若い女性と出会う。陽子は、詩織が大牟田市の出身だと聞き、彼女に親近感を覚える。東京で生まれ育った陽子だが、父親の謙作は大牟田出身だったからだ。数日後、陽子は詩織の舞台を取材する。詩織の故郷・大牟田を舞台にした『ひびきの石』という演目で、40数年前の1960年。石炭合理化にともない1200名もの指名解雇撤回を求めた「三井三池争議」を、現代の若者の視点で振り返る意欲作だ。陽子は、かつて三池の労働者であった父・謙作の謎の沈黙を大きな契機として、そのとき「三井三池」で何が起こったのかを検証し始める。

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