バランティーヌ(イレーネ・ジャコブ)は、ドーバー海峡の向こうにいる恋人の電話を頼りにモデルの仕事をしながら毎日を送っている。通りを隔てたところには司法試験を目指しているオーギュスト(ジャン・ピエール・ロリ)が住んでいた。或夜、仕事の帰りに飛び出してきた犬を車でひいてしまったことからひとりの初老の男、ジョゼフ・ケルヌ(ジャン=ルイ・トランティニャン)に出会う。ジョゼフは、今や盗聴に人生の真実を見いだす退官判事だった。恋人同士、ヘロインの密売者、妻に秘密でホモセクシャルな関係を維持している男たちの会話を聞きながら、彼はバランティーヌの博愛主義を冷たく笑い、彼女の話から彼女の弟の父親が違うこと、彼が麻薬に溺れていることを言い当てる。しかし盗聴をやめてほしいと懇願するバランティーヌにジョゼフは心を動かされていき、自ら自分の行ってきたことを法の下に知らしめる。バランティーヌは電話で横暴な態度をとり続ける恋人への愛を疑い始めていた。
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