死体の人

死体の人
2022 · ドラマ · 日本
94分
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俳優を志していた吉田広志(奥野瑛太)は、気付くと死体役ばかり回ってくるようになっており、スケジュール帳には様々な方法で死ぬ予定が書きこまれていた。演じることに強いこだわりを持ちリアリティを追求するものの、撮影現場ではあくまでも物言わぬ死体であることを求められる。主宰していた劇団の後輩は要領よくテレビで活躍するようになったが、そんな器用なことは彼にはできない。死体役のリアルを求め、発泡酒を口にすれば毒死のシーンを、浴槽に浸かれば溺死のシーンを演じ、常に死に方を探求する日々。ある日、家に招いたデリヘル嬢の加奈(唐田えりか)に、どうして今の仕事をしているのか問いかけると、加奈はこんなことくらいでしか人を喜ばせられないと答えた。その問いはそのまま自分にも跳ね返ってくる問いであり、広志は自分なんか誰も喜ばせられないと自嘲気味に話す。明るく振る舞う加奈ではあったが、彼女もまた問題を抱えていた。そんなある日、突然父から母(烏丸せつこ)が入院すると連絡が入る。母は気丈に振る舞っているものの、どうやら病状が芳しくないらしい。さらに妊娠検査薬を偶然見つけた広志が何気なく自分で試してみたところ、何と陽性反応が。一つの命の終わりと一つの命の始まりかもしれない事態を前に、役者・吉田広志は一世一代の大芝居に打って出る。

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