津軽の荒れ果てた漁村に、中里イサ子がヤクザ風の若い男をつれて帰って来た。この村は東京のバーで働いていたイサ子の郷里である。男は岩城徹男、よその組の幹部を刺したために追われており、イサ子は徹男を匿うためと、出漁中に死んだ父と兄の墓を建てるつもりだったのだ。海辺の小屋で二人の新しい生活が始まったが、徹男にとっては単調な毎日が、やりきれなかった。そんな徹男を、盲目の少女・ユキは慕っていた。