陽一郎(斉藤陽一郎)と倫子(鳥栖なおこ)は、東京の端に住んでいる。陽一郎は肉アレルギー、倫子は摂食障害に悩んでいる。近頃では、ふたりの同居生活には喧嘩が絶えない。そんなある日、中国大陸東北部から発生した新種の《カニエ・ウイルス》が日本に上陸し、次第に猛威をふるっていく。日本の亜種《カニエ・ウイルス》は、少しずつ人々に感染して、世の中を緩やかに歪めていく。人々は知らぬ間に感染し、ワクチンの開発も追いつかない。