オープニングは“設立秘話”。1936年(昭和11年)2月26日未明、東京・神田の駿台荘に集まった伊丹万作、衣笠貞之助、伊藤大輔、村田実、牛原虚彦の5監督が衆議一決、日本映画監督協会の設立を決定した。折りしもこの日は、「動乱の昭和」の予兆となった「2.26事件」の当日だった。次に、映画は一転して時代劇になる。登場するのは浪人・管徳右衛門(小栗康平)と、元・花魁の脚本太夫(阪本順治)。ふたりの間に生まれた子供を、悪徳大家・著作軒二十九が用心棒を連れて奪いに来るアクション劇。いうまでもなく、カントクとキャクホンの間に生まれた「作品」を、「著作権29条」が奪っていく――