ニューヨーク・ブルックリン。ソーシャルワーカーとして働き、13歳の娘とともに静かで規則正しい生活を送るシルヴィア(ジェシカ・チャステイン)。ある日参加した同窓会の帰り道、会場にいた男が自宅までつけてくる。不安になるシルヴィアだったが、彼は同窓生のソール(ピーター・サースガード)で、若年性認知症による記憶障害を抱えていた。やがて家族に頼まれ、ソールの面倒を見るようになるシルヴィア。ソールはその残酷な運命のなか、少しだけ残してくれた遠い記憶を慈しみ、亡き妻との思い出の曲を繰り返し大切に聴き続けていた。そんな穏やかで優しい彼の人柄と、抗えない運命を与えられた哀しみに触れながら、シルヴィアは次第にソールに惹かれてゆくのだった。だが、彼女もまた過去の傷を秘めていた……。