松村大地(安部一希)は暗い部屋で独り、無心にパソコンの検索画面に言葉を打ち込み続けている。彼は3年前、見知らぬ狂気によって最愛の家族を突然奪われていた。幼い娘を手にかけた犯人や、いたずらに家族を責め立てて妻を追い詰めたマスコミや野次馬への憎しみと、2人を守れなかった自分に対する自責の念を抱き続けている。事件は時とともに簡単に忘れられ、風化していく。あまりにも深い孤独のなか、彼はなぜ今も生きるのだろうか? 松村はまた、フラフラと街へ歩み出す……。